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映画「その名にちなんで」   

年あけてかなりハイペースで映画館に行くようにしています。
さて今回はインドの女流監督ミラ・ナイールが描く、民族・自由・アイデンティティ、そして家族愛のおはなし。

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その名にちなんで (原題:The Namesake)
→公式サイト
出演・カルペン/タブー/イルファンカーン
監督・ミーラ・ナイール



あらすじ:1977年、新生活を始めるために家族と別れ、祖国インドからアメリカ・ニューヨークにやって来たアショケ(イルファン・カーン)とアシマ(タブー)。頼る人もいない異国の地で、困難を乗り越えながら深い絆を築いてきたこの夫婦の間に、一人の男の子が誕生する。新たな生命にアショリが付けた名前は、ゴーゴリ。それから歳月が流れ、高校生になったゴーゴリ(カル・ペン)は、自分の名前を嫌うようになり、改名を決心するようになる。しかしその数年後、自立し恋人との自由な日々を謳歌するゴーゴリは、ある日自分の名前に託された父の思いを知ることになる…。親子の心のすれ違いを繊細かつ温かく描き、ピュリツァー賞を受賞したジュンパ・ラヒリ原作小説の映画化。(cinemacafe.netより)

インドの映画、ということで艶やかで濃厚で・・・というイメージはこの映画にはありません。
鮮やかでしっとりと湿度を感じるコルカタ(カルカッタ)から、NYへシーンがうつりかわると、それはそれは見る側も「さむ!」と思うようなモノクロにちかい寒々しい映像。それは右も左もわからぬ土地で暮らし始めたアシマの心細さ、インドとの距離をひとめで感じさせます。
その映像が秀逸だな~と思いながら、アシマに感情移入しつつ話はすすみます。
しかし映画自体の主役は、はっきりしておらず、あえていえば前半はアシマ、後半は息子のゴーゴリということになるでしょうか。私は結婚した女ということでアシマの気持ち、イマドキ(?)の子どもとしてゴーゴリの気持ちどちらとも結構すんなり感情移入できましたが、立場が全然ちがう人がみると、結構退屈に見える映画だったかもしれません。
ほんとうに、静かな静かな、ある移民家族の人生なのです。ザ・ハリウッド!的な事件が起こるわけもなく(アショケの体験した事故を除く)、身の丈の人生というのでしょうか・・・その静かさがあるからこそ、見終わったあとに心に残るものは大きかったです。
珍しく夫と映画を見ましたが終わった後にあれこれゴーゴリの人生のこれからについて話し合ったくらいです。

身も心も自由なアメリカ人であったはずのゴーゴリが、父の***により、突然ベンガル人としての自分を意識しだした場面がちょっと都合よすぎかな?というところ。また、舞台がコルカタ(インド)のシーンがブツギレにとんとん挿入されるため、印象が薄くなりました。散骨のシーンはいらなかったのでは?インドのシーンは重要なときにバチッと出すほうがより印象的なのではと感じました。

原作がピュリツァー賞をとったというだけに、ハリウッドや大手が制作してもおかしくなかったのでしょうが、ミラナイール監督の描き方でよかったのだとおもいます。これがハリウッド大作だったら、どーん・ばーん・ががーん!と人生の節目節目をドラマティックに劇的に描いてしまったでしょう。 (実は、いま注目している「君のためなら千回でも」というアフガニスタンを舞台にした映画で一番気になるのはその点です。演出しまくり!で作られているのではなかろうかと・・・)
アシマ役の女優さんがものすごく美しいだけでなく、10代から50代まで見事に演じていたのはすごいですね。メイクのせいでもあるでしょうが、表情が全然ちがうんですよ。
あと、タイトルの「その名にちなんで」の意味は、ゴーゴリのことではなく実は***にも当てはまることだったのか・・・というのが最後にわかり心に響きました。本当によい映画でした。
星は三つ星半

※ネタバレにならないように核心部分は***で表記しました


アロマ&ナチュラルライフboncuk(ぼんじゅ)
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by boncukblog | 2008-01-21 19:30 | 番外★映画評

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